#読むマリ written by 友達
サテ、モウスグ オワル。デモ、
ライト、ガ キエタ。
アップ、ハ デキタ カラ。
ライト、 ヲ カエルカ。
吐血した。厳密に言えば、喉から血が出た。ジンジンする。黄色い液を大量に吐いて、それが粘膜を攻撃したからだ。胃のなかのタンパク質と炭水化物はとうの昔にドブの中にみえる。体育館裏は日陰だから幾分か涼しい。アブラゼミの鳴き声と、陽炎がある。どこまでサボれるか。そろそろ戻らないと。でもまた竹刀で顔面をぶたれる。
部活はつまらない。連帯責任は魔女狩りだし、教育は脅しだ。上下関係、年功序列もただの儒教。強者の論理だ。(しかし、敬語を使おうとしない白人コンプレックスの黄色人種もこれまた愚かだと思う)少なくとも俺がいた集団はそうだった。顧問から「指導」という名の「暴行」をされ続けたことは20年経った今でも覚えているし、恨んでいる。時はそれらを解決しないし、何より俺は許さない。毎年の初詣では『顧問の◯◯が◯にますように』と御神体に向かい合っていた。
辞めない理由は、新しく発生する別のめんどくささから逃げるためだ。でも『石の上にも3年』もいると、この世は俺らを置いてけぼりにする。そして「考えて動け」という一方で、動物であるはずの俺らに『置かれた場所で咲きなさい』と、これまた都合のいい言葉を吐く。このアホらしさは日本の教育機関から脱獄しても起こる。石の上に置かれる、ではなく、ウール製のいや、ビニール製の肩がこる、暑くて、寒くて、動きづらい足枷をつけられる。動く鉄の塊の中にぎゅうぎゅう詰めにされる。気分を害しながらも、わざわざ理不尽が発生する場所に足を運ぶ。『報酬は入社後平行線』だ。まるで賽の河原。そんな人間が、この国に3,000万人もいるのだから。
さて、部活の話。毎日やめたいと思っていたし、サンクコストの観点からもやめるべきだったが、一つだけ発見があった。疲弊してフロアに座り込み、バッシュの裏を意味もなくみる。すると米国語で『この文字が読めるということは、オマエはまだ練習が足りない』そう書いてあった(デザインとして刻み込んであった)。要は『底がすり減るくらい練習しろ』と。タイヤのスリップサインかよ。そのシューズブランドは今はもうない。ラバー “ソウル” にまで俺の “魂” を否定された。でもな、苦しむことは努力ではないし、誤った方向の圧力は人を逆に脆くし、あらぬ方向へ導くものだ。そんなので人は強くならない。そして壊れたら元に戻らない。これは絶対だ。
栄養失調とストレスで今よりも身長が30cmも小さかった。当然体重も軽い。だから他人より、靴は壊れにくいし、底もすり減らない。それを「練習不足の証拠」と突きつけられる理不尽な経験をしたのは、顧問からだけなく、このマテリアルからもあったわけだ。
こんなふうに理不尽自慢をすると『みんな大変』『人生はそんなもん』みたいなレスが返ってくる。それももう聞き飽きてうざったくなったから、いちいち言わない。が、言わなければ言わないで『納得したもの』とみなしてくる。だから都度、反論をする。すると今度は『反抗的で危ないやつ』と社会不適合者のレッテルを貼られる。レッテル貼りをしないはずの自由主義者ほど他人に何かを押し付ける。押し付ける余裕のある人生を送ってこられて羨ましい限りだ。
各々に理不尽なストーリーがある。嫌な人生がある。でも一つ、救いの手を差し伸べる。それは『アンタはそもそも生きていないかもしれない』ということだ。世界一の金持ちで、世界一のシリアルアントレプレナーも『この世は仮想だ』という。ヒットしたアニメも映画も、同じことをいっている。
アナタはなぜ『ワタシは生きている』と思える?本当に教えてほしい。過去、天才と言われた人は『われ思う故に我あり』と、トートロジーで世界中をケムに巻いた。レトリックが上手いと人生はうまくいく。コピーライターなんて最たるものだ。あなたの目の前のアルコール飲料の缶に記載されているキャッチーコピーをじっくりみてみてほしい。笑えてくるから。己のバカさ加減に。そんなものだ。
世界一のイケメンを駆使して『記憶を植え付けるハナシ』をつくった天才映画監督もいる。その人は、作品の中で、よく時間を逆再生したがる。これには同感、というか、そう考えた方がしっくりくる。
その同じ映画監督の作品では、だいたい、未来・現在・過去の3つが同時に存在していたし、簡単に行き来できていた。次元の理屈でいけば、その通り。4次元、5次元の世界はそうでないといけない。実際『今現在の科学宗教』ですら「10次元以上まで存在する」と、断言している。
また、『世界5分前仮説』なんて別の有名な考え方もあって、俺らはこれもまた否定できない。そしてこんな類の話には枚挙に遑がない。つまり火のない所に煙は立たない、と。線香ですらよく見れば火種がある。
俺らは、過去・未来・現在、と道をたどってきているのではなく、未来・現在・過去、というふうに自分に向かって流れてきている事象を捌いているだけだ。(するとどんどん今、自身が存在している環境が「複雑化していく」、これが時間の経過だ)と、すると、未来はもう決まっている。だから『チャンスの女神には前髪しかない』という言葉が生まれる。
別のアプローチをしよう。今、あなたが読んでいるiPhoneに映ったこの文章は過去のものだ。光にはスピードがある。それが速すぎて、iPhoneが存在する時空と、あなたの網膜が存在する時空が同じである、と「勘違い」しているだけだ。厳密には全てのモノ・コト・ヒトが別の時空を生きている。
ああ、そうだ、ソウル、いや、ソールの話だ。靴。すり減ったそれは「トキ」を感じやすい。靴は〈ぼろぼろ〉になる。(※これが前述の「複雑化していく」ということ)上記の通り、俺らは生きている意味どころか、生きているかどうかすらわからない。だから〈歩いていく 理由は〉もっと〈ない〉。
ソールに触れたから、もう一つ。最近、O脚を治すために股割りをしていた。そして、O脚は治り、また身長が伸びた。久しぶりにオールデンを履く。革靴は、中敷の下のコルクが体重によって、オウナーの足の形に沈んで、さらにフィットするようにできている。だから、O脚が治り、歩き方が変わった今は、むしろ履き心地が悪い。数年前の俺と足が違うからだ。つまり、やはり時間の経過は足元を見ればわかる。
さて、こんな屁理屈ばかり吐いていて〈僕は泣いてい〉るのだろうか?呆れているだろうか?いやいや、希望を抱いているからこそ、こんなものを書いているのだろうか。それは〈君と同じです〉か?
〈他人の前で〉〈涙〉を〈見せ〉ると変な目でみられるのは、唯一の事実かもしれない。こんな世は〈誰の為〉のもの〈かも分からない〉。少なくとも〈答えをくれる人はいな〉かった。
この世が仮想だとしても、しかしながら、わかっていることはある。ここからたった10mほど離れた玄関の下駄箱を開ければ〈ぼろぼろのスニーカー〉だらけだ。5分前に、神様が俺のスニーカーをあえてエイジングしたのかな?神様ってそんな暇なのかな。
何度も言うが当然〈歩いていく 理由はない〉。少なくとも〈僕〉は。ということは、この文章をここまで読んで“しまっている”〈きっと君も〉。
こんなことに囚われているが、いつの間にか年老いた。高校生の頃に〈憧れた〉テレビの向こう側や、雑誌の紙面を飾っている人物が同世代、ということに驚愕した。そして〈気づいた〉ら〈年下にな〉っていた。〈焦る〉どころか、嫌になった。ナニモノかになろうとして、ナニカをして、空白を埋めるように〈ごまか〉した時期もあった。そしていつの間にかここまで来て“しまった”。
でも、〈ここまで来たんだなぁ〉という事実は、たとえインセプションされたものだとしても、振り返られるかもしれない。それは、〈誰の為〉?〈何の為〉?かは当然わからないし、このまま〈歩いていく 理由は〉未だに〈ない〉けど。
さて、冒頭に戻り、本文を推敲する。さっき俺が書いた文章なのに「これ、俺が書いたの?」と驚く。感情は、次の宿木をみつけるためにピョンピョンと跳ねていってしまう。やはり世界は5分前につくられたのかもしれない。
…と、なんかネガティブになってしまって申し訳ないから、無理やりポジティブなことを言って最後に逃げる。俺は “正直” で未だにバカをみるが、この曲を聴いたら、それでも “真っ直ぐにたてる” から。
〈僕が憧れた〉〈ヒーロー〉たちは、ありがたいことに同世代だ。年下になっていない。そして〈そうさ僕も きっと君も〉ライブハウスにいけば〈またいつか逢えるから 僕はここで生きているよ それだけは正しいの〉〈それだけは正しいから 大丈夫 僕はまだ歩けそう〉
Upright -On The Way To-
詞:大山雅司
ぼろぼろのスニーカー
ここまで来たんだよ
歩いていく 理由はない
僕は泣いてます
君と同じです
他人の前では涙は見せない
誰の為かも分からないまま
答えをくれる人はいないけど
ぼろぼろのスニーカー
ここまで来たんだよ
歩いていく 理由はない
そうさ僕も きっと君も
振り返る並木道
僕はここで生きてるよ
それだけは正しいの
大丈夫 僕はまだ歩けそう
僕が憧れた漫画のヒーローは
気づいた時に
年下になる
焦るふりしてごまかすばかり
そんな気がして俯けば気付く
長い長い足跡に
ここまで来たんだなぁ
歩いてきた 答えはない
誰の為 何の為
ぼろぼろのスニーカー
ここまで来たんだよ
歩いていく 理由はない
そうさ僕も きっと君も
またいつか逢えるから
僕はここで生きてるよ
それだけは正しいの
そうさいつも どんな時も
ぼろぼろのスニーカー
それだけは正しいから
大丈夫 僕はまだ歩けそう
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