ご無沙汰です、大山です。
先日2024/5/10のイベント『マリ×インナージャーニーpre. 「POP SQUARE!!」@下北沢THREE』(来てくれたみんなありがとう)のすぐ後、“友達”から文章が届きました。
書いた本人曰く
「その場の勢いで書いたものだから公開しなくてもいい」
とのことでしたが、
“あの日、ライブハウスに居合わせた一人の人間の、その随想録”として、なにか僕の心に響くものがあったので、本人の許可を得て掲載しています。(以下、“友達”から送られてきた文章)
クリスマスより、クリスマスイブ。
正月より、大晦日。
本番当日よりも『何かが起こる前』が昔から好きだった。
その熱に浮かされて、今、
駐車場のブロックに腰掛けMacBookを叩いている。寒い。
慎重がすぎる俺は、普段ならこんなことはしない。
何かが起こる前、か。
他人を生きてきた俺の人生だった。
ある時、その人生が終わった。
つまりそれまでは、誰かのために、何かを調整して、アレを押さえて、
マネキンのように生き、プラモデルのように人生を設計してきた。
その積み木を崩した。それがよかったのか悪かったのか。
ただ、
〈何をしたいのか わからないまま〉
今、一応生きてはいる。
今日、流れて、流されて、下北沢にきた。それが正解だった。
と、言いつつも、
正解・不正解、より、快・不快で言いたいし、美・醜にこだわりたい。
計画したうえで、今、無計画に生きている。
いつもライブで唯一、聴き馴染みのない曲で、
今日は眼のまわりが火照った。
いつもニヤニヤしているドラムが、
ニコニコしていた。本気で歌うとき、あんな口のカタチするクセがあるんだ。
みんな、マイクが近くなったな。
『大人の男が集まって遊ぶ』のはたいてい飲み会だ。
それは『遊び』じゃないし『あそび』がない。
ゴルフ、麻雀、スノーボード、一通りやった。
最後は全部飽きて、めんどくさくなった。
だから、コンテンツに触れるようになった。
浴びた。溺れた。それで脳のメモリを埋めた。
何かを忘れるために。
…ああ、それが楽なのは、それが『他人の人生』だから、か。
つまり、『自分から発して、自分を通過して、外に出て』いない。
大人になると、価値観とか、予算感とか、スケジュール感とか、全部ずれていく。まわりと。
次第に、遠く、薄く、細く、なっていく。
バンドやっとけばよかったとかは、思わない。
後悔はしないし、感傷的にもならない。
こうやって人生を『タイプ』できているのだから。
そういえば、
『誰かの人生を生きてきた』みたいなこと、さっき言った。
けど、よく考えたら『流される人生』じゃないな。
〈自由に誰かに乗っかってきた〉人生だ。
向こうもう少しはこんな風に生きていこうか。
あれ、これ、英語でなんていうんだっけ?
まだ〈旅の途中〉だ。
文章の推敲もしない。バランスはとらない。
何かが起こる前、か。
(以下、大山が加筆)
さて、この送られてきた“ただのライブレポート”と呼ぶには、およそほど遠い文章を前にして考える。
どうして僕はこの文章に、心打たれたのだろうか。
アルバムが発表され、これから“何かが起こる”ことが決まっているのが僕ら。
その場に立ち会う一人の人間としての眼差し・心模様が流れるように頭に共有されたからか。
はたまた「公開されなくても構わない」と心に宣言しつつも、それでも“書かざるを得なかった何か”にこちらの心が突き動かされたからか。
それもある。けど、それ以上に、
きっとしっかりと思い知らされたのでしょう。
何てことはない当たり前のこと。
彼(=“友達”)には彼の人生があり、
僕には僕の人生がある。
そしてもちろん、それは同様
あの日、来てくれたお客さんひとりひとり、誰にとっても
それぞれの人生やドラマがあるのだと。
そして、その交錯する広場(Square)として
あの日のライブハウス、そして音楽を共有する時間があるのだと。
過剰な表現かもしれないけれど、
そう考えることが、今の僕にはどうにも素敵なことのように思えるのです。
ちなみに、これは余談なのですが、
実は彼が駐車場で何かを打ち込んでいるのを僕は背後から目撃していました(まさかここに載せる文章を書いているとは思わなかったけれど)
あの肌寒い駐車場で、衝動の赴くまま文章を練り上げるなんて、
なかなかに鬱屈としているね、君も。
いや、僕自身もそうなはずで、もしかしたら誰も彼も。
そして、それはそれできっと良いことなのでしょう。
あらゆる鬱屈さを堆肥にしながら、楽しみや表現は芽吹くものだと思うから。
ではまた、すぐ会えることを願って。
Written by “友達” / 大山
Photo by カレー・ラモーン
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